【パラサイト】ポンジュノの映画がアカデミー賞を受賞するしかなかった理由【世界を超えた1インチの字幕の壁】

【パラサイト】ポンジュノの映画がアカデミー賞を受賞するしかなかった理由

先日、以下のツイートをした。




ポンジュノ監督の
  • 映画「パラサイト 半地下の家族 【原題】기생충」
が、

アカデミー賞四冠王に輝いた。
  • 作品賞
  • 監督賞
  • 脚本賞
  • 国際映画賞
と、メインの賞を、ほぼ総なめした快挙だ。

 
特に、これまで、
  1. アカデミー賞作品賞に、字幕付きの作品が選ばれたことがなかったこと
  2. 韓国人俳優が出演し、韓国で撮影された映画であること
に、今回の受賞の歴史的な意義がある。

字幕の1インチの障壁を超えた

ポンジュノは映画「パラサイト」でゴールデングローブ賞を受賞した時、次のように発言している。
  • 字幕の1インチの障壁を超えれば、皆さんは、もっと多くの映画を楽しむことができます
と。

この記事では、ポンジュノ監督の映画「パラサイト 半地下の家族 PARASITE」が、ここまで圧倒的に世界で支持された理由について考察してみたい。


映画の内容の普遍性 「最も個人的なことが最も創造的」

 
ポンジュノが、アカデミー賞監督賞を受賞した時のコメントである。

 
「最も個人的なことが、最も創造的である」

私が尊敬する、ある映画監督の言葉です。

その監督が誰かというと。。。

 
ここでポンジュノは一呼吸置く。

 
通訳が、この発言を訳したあと、ポンジュノは、英語でおもむろにこう答える。

That quote is from our great Martin Scorsese.

今、目の前にいらっしゃる尊敬するマーティン・スコセッシ監督です

 
それは、アカデミー賞授賞式で、招待客の席にいた、有名な映画監督マーティン・スコセッシ

に向けられた発言だった。

 
老監督は、微笑み、両手を合わせるしぐさをして、ポンジュノに感謝の表現をした。

観客は感動のスタンディングオベーションで応える。

こんな、なんとも心憎い発言にも、ポンジュノの人間性があらわれている。

また、その後も、ポンジュノはこう発言する。

 
私の作品が、まだ海外で認知されていない時に、いつも、私の作品をリストに入れて評価してくれた、クエンティン・タランティーノ兄さんに感謝をささげます。

 
その後、画面が映したのは、あの名監督
  • タランティーノ
だ。

ここで、すでに、視聴者は、ポンジュノがいかに国際的な監督であるかを実感することになる。


ポンジュノ映画の2つの要素

ポンジュノの映画すべてに言えることだが、
  • 弱者に対するあたたかいまなざし
  • 弱者をいたぶる者に対するこらしめ
という、2つの要素だ。

世界中に広がる経済格差、という現実が、「パラサイト」がえがく韓国社会との共通項をあぶりだしている。

それが、世界の人々の心を動かしたのだといえる。

ポンジュノ監督の人間性


今回、映画「パラサイト」に出演した、すべての俳優が語っているのは、
  • ポンジュノの人間性
である。

一言でいうと、その俳優の一番いい演技を引き出す能力がずば抜けている。

俳優を委縮させず、自信をもたせながら、自分がイメージする世界を切り取る。

だから、俳優は、ポンジュノのアドバイス通りに、自由にのびのび演じるだけで、すばらしい作品が出来上がる、というわけである。

ソンガンホは、あるインタビューで、
  • ポンジュノ監督がすべて実演してくれるので、俳優はその通りに演じればいいだけです
と答えている。

もちろん、この表現には誇張も含まれているだろう。

このソンガンホの発言を隣りで聞いていたポンジュノが、
  • いや、そんなことはないですよ
という、しぐさをして笑っていたからだ。

でも、ソンガンホの、この発言は、あながち誇張とはいえないと思う。

ポンジュノは、常日頃、ソンガンホのことを、
  • 監督がイメージする以上の演技をしてくれる俳優
と評価している。
  • ポンジュノのイメージ+それを超える俳優の演技力=最高の作品
という図式が成り立つわけである。

週52時間の労働時間を守って撮影された「パラサイト」




映画の撮影現場というのは、過酷で劣悪なもの、というのはよく知られている。

でも、ポンジュノ監督の場合は、撮影時間もきちんと守っていた。

「パラサイト」は、労働時間も、週52時間をきちんと守って撮影されたという点も、韓国内で高く評価されている。

しかも、食事の時間も、きちんと確保していたという。

ポンジュノは、撮影現場では、末端のスタッフもすべて名前で呼び、配慮を忘れないという。

こういう、ポンジュノの人間的で誠実な側面が、すばらしい映画を生んだというのは想像にかたくない。

【ポンジュノ】プロフィール 映画「パラサイト」でアカデミー賞 作品賞・監督賞 受賞!四冠王に!!【天才監督の作られ方】

ポンジュノ監督のディテール

 
ポンジュノ映画が絶賛されるのは、
  • ディテール
だ。

1カット、1カットにすべての意味がある。

 
今回の映画「パラサイト」でも、そのセットが、韓国の本当の金持ちの家を忠実に再現したと評価されている。

映画に登場する玄関の部分は、実際に韓国・江南の城北洞にある家の入り口を撮影している。

映画の中の、金持ちの家は、本当の家のようだが、すべてセットだ。

半地下の家も、すべてこだわりのディテールで表現されている。

「匂い」が映画「パラサイト」で重要な装置になった理由

映画「パラサイト」の重要なモチーフが、
  • 匂い 냄새
なのだが、映画の中に登場する生ごみも、スタッフがすべて、本当のゴミを用意して準備したとされる。

 
ポンジュノは、「パラサイト」の中で重要な要素となる
  • 匂い
に関して、ニュース番組のインタビューで、次のように表現している。

 
匂いというのは、とても近い関係にある人間どうしにしかわからないものだ。

私たちの社会で、金持ちと貧しい人は、通常は、違うところで生活しているので、空間も違うため、互いに匂いを感じるほど近づくことはまずない。

この映画は、金持ちと貧しい人が、あるきっかけによって、近づき、互いの境界線をきわどいところで侵犯する話だ。

匂いという、新たな映画的な装置が、ストーリーに大きな役割を果たすことになる。

匂いというのは、実際、その人の、状況や、置かれた境遇をあらわすものだ。

 
一日中、辛い労働をすれば、汗の匂いがするだろうし、そういうことに対して、私たちが、守らなければならない、最低限の、人間に対する礼儀というものがあるはずだ。

この映画は、そんな、人間に対する礼儀が崩壊する、そんな瞬間をえがいている


と。

 

「雨」の日に重要な事件が起こる

また、映画の中で、重要な要素となるのが、
だ。

映画「パラサイト」では、雨の日に重要な事件が起こる。


ポンジュノは、雨をこう表現している。

 
雨というのは、上から下に流れる。

お金も結局、金持ちから庶民に流れるようになっている。

それはとても悲しいことだ

 
と。

一般的に、映画において、雨というのは重要な演出ポイントだ。

映画「パラサイト」を、その観点で見るのもまた、おもしろいかもしれない。

英語字幕の優秀性

これは、日本ではあまり知られていないことだが、今回、アカデミー賞を受賞した背景として、

字幕がすぐれていた

ことも、重要な要素に挙げられる。

今回、映画「パラサイト」の英語版字幕を翻訳したのは、
  • ダルシー・パケット
というアメリカ人だ。

彼は、ポンジュノの
  • 映画「殺人の追憶」
  • 映画「グエムル 漢江の奇跡」
  • 映画「母なる証明」
  • 映画「オクジャ okja」
まで、ポンジュノ監督のほとんどの映画の英語字幕を行っている人物だ。

【殺人の追憶】ポンジュノ 時代の先頭を突っ走る天才監督【ソンガンホを絶賛する理由】

【母なる証明】ポンジュノ監督が描きたかった世界とは 【ウォンビンの演技変身に注目】

今回、映画「パラサイト」の英語字幕の最後の修正作業は、韓国で、ポンジュノ監督と一緒に行われた。

ポンジュノ監督は、できるだけ映画の内容が欧米圏の人々に直感的に伝わることをダルシー・パケットに要求したという。

「チャパグリ」を英語字幕でどう訳したか

チャパグリ→RAMDON

たとえば、映画に登場する

짜파구리(チャパグリ)は、

→RAMEN+UDONG
  • →RAMDON

ソウル大学→OXFORD UNIVERCITY

ソウル大学文書偽造学科

のソウル大学は、英語字幕では、
  • OXFORD UNIVERCITY
  • オックスフォード大学
になっている。

ポンジュノは、韓国語のニュアンスを、欧米人に直感的に伝える表現にすることにこだわったという。

ちなみに、짜파구리は、日本語版では、
  • チャジャンメン
になっていた。

こうした、韓国的な表現を、英語圏の人々に感覚的にわかりやすい表現で伝えることに成功したのも、今回の受賞の大きな原因になっているといえる。

ブラックリストで排除された暗黒時代を支えたCJグループ副会長


今回、ポンジュノがアカデミー賞を受賞したのは、時代的な背景も大きい。

韓国の政治状況については、日本でもよく知られているが、
  • 李明博大統領(2008年~2013)
  • 朴槿恵大統領(2013年~2017)
時代は、韓国の映画・芸能界にとっては、まさに受難の時代だった。

俳優のソンガンホは、廬武鉉大統領を主人公にした
  • 映画「弁護人」
で、主役(ノムヒョン大統領役)を演じた後、しばらく、映画に出演することができなかった。

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映画「弁護人」で国外追放になったCJ副会長とポンジュノの関係


また、韓国の映画配給会社として有名な
  • CJエンターテインメント【CJ ENM】
を系列会社に持つ財閥の
  • CJグループ
のイミギョン副会長は、以前から、映画「母なる証明」【2009年】など、ポンジュノ映画を積極的に応援していた人物だ。

それに加えて、廬武鉉大統領を主役とする映画「弁護人」を配給したことで、当時の政権(パククネ大統領)に目をつけられ、政治的な圧迫を受けることになる。

朴槿恵大統領は、当時の経済主席に、
  • イミギョン副会長の退陣
を直接指示する。

このことで、朴槿恵大統領は、その後、有罪判決を受けている。

 
イミギョン副会長は、2014年にアメリカに出国せざるをえない状況に追い込まれたのだ。

また、この時期は、ポンジュノだけでなく、他の韓国を代表する監督にとっても受難の時代だった。

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CJグループの全面的な支援でアカデミーレースに参戦可能に

今回、映画「パラサイト 半地下の家族」が、アカデミー賞を受賞することができたのは、CJグループが、資金面で全面的な支援をしたことも大きな要素とされている。

アカデミー賞というのも、ある意味、選挙のようなもので、宣伝活動が必須だからだ。

映画「パラサイト」は、2019年夏から、実質的にアカデミー賞レースに参加した。

そのためにかかった費用は、
  • 100億ウォン(約10億円)
といわれている。

映画の制作費に相当するぐらいの金額がかかっているのだ。

アカデミー賞作品賞の授賞式の場面では、イミギョン副会長も舞台に上がり、あいさつをした。

その時の発言の中で、
  • 支援を要請したら、いつも快く出資してくれた弟(CJグループ会長)に感謝します
と語っていた。

また、ポンジュノ監督に対しては、絶賛一色だった。

CJグループとは

 
財閥のオーナーであり、出資者であるイミギョン副会長が、授賞式でコメントをしたことに関しては、韓国内で批判もある。

でも、確実に、今回
  • 映画「パラサイト 半地下の家族 PARASITE」
が、英語圏以外の映画として、初めてアカデミー賞作品賞に輝いた大きな理由として、CJグループのイミギョン副会長が、ポンジュノを信頼し、

資金面で全面的な支援をしたことが大きな要素であったことは否定できない。

CJエンターテインメントは、韓国の財閥であるCJグループの系列会社だ。

現在、韓国内で、すばらしい韓国ドラマを次々に制作している、
  • STUDIO DRAGON スタジオドラゴン
は、CJエンターテインメントのドラマ専門会社だ。

また、ケーブルテレビの
  • tvN
は、CJエンターテインメントのテレビ局だ。

スーパースターKなどの人気番組を生み出した、韓国エンタメの元祖といえる、

Mnetは、CJ ENMの音楽・エンターテインメントチャンネルだ。

【Mnet】スカパー 韓流 チャンネル の料金は超安い理由【普通のドラマにあきた人におすすめ】

CJのイミギョン副会長は、サムスン創始者の初孫
イミギョン会長は、サムスングループの創始者であるイビョンチョル(李秉喆)会長の孫である。

イミギョン副会長の父イメンヒは、イビョンチョル会長の長男だ。

イビョンチョル会長は、初孫であり、頭脳明晰だったイミギョン副会長を、子どもの頃から、特に可愛がっていたとされる。

現在、サムスングループの会長であるイゴンヒ会長は、イビョンチョル会長の三男だ。

イミギョン副会長は、サムスングループ副会長のイジェヨン副会長とはいとこになる。

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イジョンジェが【結婚できない理由】とサムスン御曹司 イジェヨン 李在鎔(現・副会長)との関係

また、韓国女優コヒョンジョンが結婚したチョンヨンジンは、新世界グループの副会長で、その母親イミヨンヒ(新世界グループ会長)は、イビョンチョル会長の娘(五女)になる。

つまり、コヒョンジョンのかつてのシオモニ(姑)は、サムスンの現会長イゴンヒの妹ということだ。

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時代の困難を正面突破し世界の監督になったポンジュノ

 
ポンジュノは、過去の政権の時代には、国内での映画制作ができず、
  • 映画「スノーピアサー」
は、ほぼ外国人俳優が登場する映画になったし、
  • 映画「オクジャ okja」
は、その映画の芸術性が高く評価されつつも、Netflixの出資で制作され、劇場とNetflixの同時配信となったため、各種の映画祭への出品が拒否された。
現在、「オクジャ okja」は、DVD化されておらず、ネットフリックスでしか見れない。

ポンジュノは、そのあふれる才能を、時の政権の力によって抑圧される中でも、さまざまな突破口を模索していたのだ。

そこに、2017年に朴槿恵大統領大統領が弾劾され、5月にムンジェイン大統領が選出される。
  • 映画「パラサイト 半地下の家族 PARASITE」
が、韓国で劇場公開されたのが、
  • 2019年5月
である。

ブラックリストという、言論の自由を抑圧するくびきを破り、それからわずか3年で、
  • カンヌ映画祭パルムドール賞受賞
  • アカデミー賞四冠王(作品賞・監督賞・脚本賞・国際映画賞)
という栄誉に輝くことになった。

ポンジュノの才能は、もはや世界が知るところとなった。

現在、すでに新しい2つの作品の制作が始まっているという。

アカデミー賞に輝いたポンジュノ監督の作る映画には、今後、世界の資本がこぞって投資を名乗り出ることはまちがいない。
  • 防弾少年団 BTS
が、世界の人々を魅了したように、韓国映画が、また、世界の注目を浴びることはまちがいないだろう。


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韓国には、ポンジュノ監督だけでなく、すばらしい監督がたくさん存在する。

これからの韓国映画の活躍に期待したい。

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殺人の追憶(2020年4月5日まで配信予定)

  • 【出演】ソンガンホ・キムサンギョン・パクヘイル・チョンミソン
スノーピアサー(2020年4月15日まで配信予定)

  • 【出演】クリスエヴァンス・ソンガンホ・ティルダスウィントン・ジェイミーベル
グエムル 漢江の奇跡(2020年12月31日まで配信予定)

  • 【出演】ソンガンホ・ピョンヒボン・パクヘイル・ペドゥナ・コアソン
ほえる犬は噛まない【ポンジュノの劇場映画デビュー作】(2020年4月22日まで配信予定)

  • 【出演】ペドゥナ・イソンジュ・コスヒ・キムホジュン
海にかかる霧【ポンジュノ製作・脚本】(2021年4月9日まで配信予定)

  • 【出演】キムユンソク・パクユチョン・キムサンホ・イヒジュン・ムンソングン

 

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