【V.I.P. 修羅の獣たち】イジョンソク 初の悪役 韓国映画 ノアール 感想【ネタバレなし】
韓国映画 【V.I.P 修羅の獣たち】
韓国での放映時期
2017年8月23日封切り上映時間
2時間18分観客動員数
137万人制作費
- ６５億ウォン＝５８０万ドル（約６億５千万円）
- 総費用 ９４億ウォン（約９億４千万円）
監督
-
- パクフンジョン
出演 キャスト
- チャンドンゴン （役名パクチェハク） 国家情報院の幹部
- キムミョンミン（役名 チェイド）刑事
- パクヒスン（役名 リデボム）北朝鮮の保安省の要員
- イジョンソク（役名 キムグァンイル）北朝鮮の権力者の息子
上映時間
- １２８分（２時間８分）
映画「ＶＩＰ」の興行成績は？
観客動員数
- １３７万人
つまり、１５０万人を下回ると赤字、ということだ。
封切り前は、韓国で大ヒットした映画「新しき世界」の監督のパクフンジョンだったため、期待も高く、大ヒットが予想された。
だが、結果的には、評判倒れに終わった残念な映画だといえる。
ただ、私の個人的な感想は、映画としてはよくできている。
でも、もう１回みたいとは思わない、というところか。
その理由は、あとでくわしく書く。
イジョンソクは、映画「ＶＩＰ」では、たしかに「죽일 놈 （ひどいやつ）」だが、この映画を見たからといって、イジョンソクのことを嫌いになったりはしなかった。
逆に、イジョンソクの演技力に感心したほど。
イジョンソクは、これからまちがいなく大物俳優になると思う。
女優キムヘスが、韓国映画「観相師（かんそうし）」で共演した時、イジョンソクの演技力を絶賛していたことをあらためて思い出した。
プロの目には、プロの実力が見えるのだ。
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【あらすじ】映画「VIP」
韓国ソウル京畿道南部で、若い女性を狙った連続殺人事件が発生する。韓国の国家情報院とCIAが仕組んで北から来たVIPキムグァンイル【イジョンソク】が、殺人事件の有力な容疑者として浮上する。
刑事のチェイド【キムミョンミン】は、その犯行の手口から、犯人は北から来た要人の息子【VIP】であるキムグァンイル（イジョンソク）であると直感する。
キムグァンイルを追っている人物がもう一人いた。
北朝鮮の保安省要員のパクヒスンだ。
イジョンソク扮するキムグァンイルは、北朝鮮の情勢の変化によって、アメリカのＣＩＡと、韓国の国家情報院の密約によって、極秘裏に韓国内に送還されていた。
この件に関与した張本人である、国家情報院要員のチャンドンゴンは、警察の捜査がキムグァンイル【イジョンソク】に及ぶのをおそれ、ことごとく捜査を妨害する。
チェイド【キムミョンミン】からキムグァンイルを引き離そうと何度も試みる。
これに対するのは、イジョンソクを追う、北から来たパクヒスンと刑事のキムミョンミンだ。
それをはばむチャンドンゴン。
自分を追いかける刑事たちをあざ笑うかのように、平然として追跡を逃れるイジョンソク。
チャンドンゴンは、イジョンソクを守る立場だが、だんだんイジョンソクに対する怒りが高まって行き、刑事のキムミョンミンとの間に奇妙な連帯感が生まれる。
【見どころ】
韓国のノアール映画だ。この手の映画が好きな人なら、ついていけると思う。
私はちょっと苦手だが、でもなんとかついて行けた。
見終わったらホッとするはず。
気軽に見始めたら、とんでもないことになる。
特に冒頭のシーンはエグい。
イジョンソクの犯行の手口が残虐すぎて目をおおいたくなる。
このシーンが韓国でも批判された部分でもある。
ただ、重厚な俳優たち、チャンドンゴン、キムミョンミン、パクヒスンが、がっちり固めているので、映画としては完成度は高い。
監督が映画【新しき世界】のパクフンジョンだったので、期待があった分、もう少し違う展開があれば、という残念な感じはある。
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でも、イジョンソクにとっては、初めての悪役で、まちがいなく合格点をとれた映画だといえる。
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【比較】韓流スター 主演映画 イミンホ キムスヒョン
韓流スターとして中国でも人気のイジョンソク。イジョンソクは、1989年生まれ。
イミンホ、キムスヒョンより若い。
同世代の韓流スター
イミンホ【1987年生まれ】
キムスヒョン【1988年生まれ】
と並んでどんどん人気上昇中の俳優だ。
イミンホとキムスヒョンは、現在兵役入隊中。
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特に、イジョンソクは、キムスヒョンとタイプが似ているため、よく比較される。
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二人とも、兵役入隊前に主演の映画に出演したが、どちらも評判はイマイチ。
特に、キムスヒョンの映画「リアル」の評判は最悪だ。
そんな中で、この3人の映画の順位を、超個人的な目線でランク付けしてみると、
- 1位 V.I.P 修羅の獣たち 【イジョンソク】
- 2位 江南ブルース 【イミンホ】
- 3位 リアル REAL 【キムスヒョン】
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映画「VIP」の評価はそれほど高くなかった。
でも、イジョンソクは、この映画で失ったものはない。
むしろ、その演技力がますます評価されることになった。
ドラマ「ピノキオ」は、イジョンソクの伝説的な韓国ドラマになっている。
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【おまけ】なんで修羅なの？タイトルの疑問
映画 V.I.P 修羅の獣たち韓国語の原題は、
- V.I.P
なぜか、日本で上映されるときのタイトルには、
- 修羅の獣たち
キムヘス主演の映画で2018年に日本でも上映された
- 修羅の華
- ミオク 미옥
【修羅】というのは、日本で映画につけたくなるタイトルなのだろうか？
同じくキムヘスの映画
- コインロッカーベイビーズ
- チャイナタウン 차이나타운
全然違うタイトルだったので、最初まったくわからなかった。
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美しい男 イジョンソク 初めての悪役
イジョンソク。美しい男。
肌は真っ白。しかも韓国女優のようにピカピカでつるつる。
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ヒゲソリ後のないすべすべの肌。
真っ赤な唇。
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細い鼻。
顔は小さく、身長は１８５ｃｍある。
兵役入隊近づく イミンホ（公益）とキムスヒョン、そしてイジョンソク 韓流スターたちの「身長格差」について
まさに、イジョンソクは少女マンガの主人公。
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イジョンソクは、キムスヒョンと並ぶ今はやりの塩顔だ。
完ぺき。
すべてが完ぺき過ぎる。
その上演技もうまい。
しかも、プライベートでは韓国ドラマ「ピノキオ」で共演したあのパクシネと交際中という。
恵まれすぎている。
前置きが長すぎた。
そんなイジョンソクが初めて悪役に挑戦した映画が、
韓国映画「VIP」
だ。
イジョンソクにとっては、
韓国映画「観相師（かんそうし）」（ソンガンホ・イジョンジェ・キムヘス）
以来のベテラン俳優たちの共演となる大作だ。
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あの「タクシー運転手」を抜いて韓国で「前売り１位」の超人気
韓国映画「VIP 原題 브이아이피」は、韓国では、２０１７年８月２４日から公開された。実は私は、イジョンソクが映画「VIP」に出演しているという話もまったく知らなかった。
韓国で映画のサイトを見ていると、あの人気の
韓国映画「タクシー運転手」（ソンガンホ）
を抜いて、チケットの前売りでトップだった。
チャンドンゴン、キムミョンミン、「新しき世界」の監督
しかも、出演は、-
- チャンドンゴン
- キムミョンミン
- パクヒスン（韓国映画「セブンデイズ」）
- イジョンソク
韓国女優キムミスク 「５歳年下」の夫とアラフォーで結婚・出産 チャンドンゴンと共演したドラマでの屈辱 【今ならありえない】
おまけに私の大好きな
パクソンウン（韓国ドラマ「リメンバー～記憶の彼方へ」「優雅な女」韓国映画「新しき世界」）
も出演している。
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監督は、
韓国映画「新しき世界 原題 신세계」（イジョンジェ・ファンジョンミン・チェミンシク）
を作ったパクフンジョン（脚本も）というから、見ない理由がない。
パクフンジョンは、映画「V.I.P」の監督・制作・脚本を手掛けている。
これ以上にホットな映画はない。
新しき世界 [DVD]
正直、イジョンソクが悪役を演じていることすら知らず、まったくの予備知識なしで見た。
８月の終わりの週末だったので、映画館は満席だった。
友だちとふたりで見たが、横並びの席は取れず、タテ２列にわかれて見る。
それでも韓国の映画館は日本より座席がゆったりしているし、クッションもいいので、見心地は抜群。
映画の内容は衝撃的だ。
クラシックを聴き、洋書を読むイジョンソクは冷血漢
イジョンソクは、いつもイヤホンでクラシックを聴きながら、英語の原書を読んでいる。なのに、、、
これ以上ないほど残酷な人間なのだ。
韓国映画を数多く見ている私としては、暴力シーンには慣れているつもりだったが、今回の映画「VIP」はさすがにエグすぎる。
イジョンソクのやっていることがあまりにも極悪非道なので、刑事のキムミョンミンや、国家情報院のチャンドンゴンに
「개새끼 （ケセキ）！！」
【ミニ解説】
- 개새끼 ケセキ
「개＝犬」 のこと
上品な人は決して口にしてはいけないので注意
韓国ドラマの「５つ」のタブー！ これがわかればおもしろさは「倍増」する
と罵倒されまくるイジョンソク。
殴られて地面に倒れ、その上、美しい顔を、何度も靴でギューギュー踏みつけられる。
それでも薄ら笑いを浮かべるイジョンソク。
見ている観客も、イジョンソクに対する怒りが高まっているので、そんなキムミョンミンやチャンドンゴンの行動がとても理解できてしまう。
これまで正義の味方、愛する人のためにすべてを捧げるナイトだったイジョンソク（韓国ドラマ「ピノキオ」）。
それがこんな最低な人間になってしまったとは。
反転の連続で息もつけない展開
映画は、反転、反転の連続で息もつけない。イジョンソク演じるキムグァンイルの父は、北朝鮮のナンバー２といわれる人物の側近だった。
イジョンソクは、その父の威勢をバックに、やりたい放題の残虐な犯罪を繰り返す。
北朝鮮でイジョンソクの犯罪を追及しようとするのがパクヒスン。
上司はパクヒスンの捜査をストップさせる。
それに反発して職を辞するパクヒスン。
北朝鮮の情勢の変化により、イジョンソク演じるキムグァンイルは韓国に来ることになる。その後、韓国内でも、連続殺人事件が多発するが、犯人は見つからない。
連続殺人事件を追いかける刑事キムミョンミンと、イジョンソクを韓国に連れて来た張本人であるチャンドンゴンが、最初対立しながら、しだいに妙な連帯感を持っていく。
イジョンソクの悪行を止めるには、その存在を無きものにするしかない、と決意する主人公たち。
さすが韓国映画「新しき世界」を作った監督（パクフンジョン）だけあって、映画の展開は見せる。
韓国映画「VIP ブイアイピー」
は、セクションに分かれている。
エピローグから始まり、数年前にさかのぼる。
「対決」とかそんな章が出てくる。
その時、じゃっかん嫌な予感がした。
ただ、以前、キムスヒョンの韓国映画「リアル real 原題 리얼」でも指摘したが、
映画に章をつける場合、つまらない映画であることが多いからだ。
（特に韓国映画の場合）。
韓国映画のおもしろさは、予測不可能なところにある。
なのに、章のタイトルが出てくると、その先の内容が
- 予測可能
特にラストはショッキングだ。
隣りの席で、２０代の女性３人組が１つのポップコーンを皆で食べながら見ていたのだが、最後の方では寄りかかって何度も声をあげていた。
それくらい、びっくりする展開だ。
韓国での評判は最悪だが
ただ、韓国での「VIP」の評判は良くない。女性を被害者、無力な存在としてしかえがいていない、という批判が相次いでいる。
個人的には、映画としてはよくできていたと思うし、チャンドンゴンもキムミョンミンもあいかわらずカッコよかった。
ただ、映画の中に、あまりにもむごたらしいシーンがあり、それをまたカットせず、なまなましくリアルにえがいているので、そこまで露骨に描写する必要があるのか、という点が問題視されているようだ。
インターネットでいろんな評価を見ても、よい評価はほぼない。
登場人物の描き方がステレオタイプだという指摘も多い。
キムミョンミン演じる刑事の性格や、犯人役のイジョンソクがクラシックを聴きながら残虐な犯罪をするところとか。
ほぼ笑いのない映画なのだが、キムミョンミンが部下の刑事にガンガン指摘する場面があり、それに反応する部下の刑事役の俳優のセリフで観客は笑っていた。
ただ、笑いが起こるシーンは、２・３か所しかなかったと思う。
パクソンウンもチャンドンゴンと同じ国家情報院（韓国の情報機関。アメリカでいうCIAみたいな組織）の機関員なのだが、映画の中での存在感はまったくない。
映画を見た後、パクソンウンがどんな役だったか忘れてしまったほど。映画「新しき世界」でのパクソンウンのシブさ、存在感を期待する人にはかなりものたりない配役だ。
⇒おすすめ韓国映画「新しき世界」イジョンジェ・ファンジョンミン・チェミンシク シブすぎる男たちの物語
最近、韓国映画に毎回レギュラー出演しているイギョンヨンみたいな感じか。
一応出演俳優のクレジットに名前は出ているが、重要な役ではない、という。。。
キムスヒョンの映画「リアル REAL」との違い
キムスヒョンの「リアル」の場合は、映画自体が批評の対象にもならないレベル。イジョンソクの映画「VIP」に対する批判の場合は、映画の「内容」に対する批評だ。
韓国の仁川空港で預けたキャリーバッグが出てくるのを待っている時、韓国人の学生たちがキムスヒョンの韓国映画「リアル」について語り合っていたのを聞いた。
その会話の内容を１行で要約すると、
キムスヒョンは、親戚にふりまわされて、つまらない映画に出演してかわいそうだ
ということになる。
韓国映画「VIP」は、アメリカのワーナーブラザーズコリアが配給社になっていた。
チャンドンゴンは、もはや韓国の俳優ではなく、世界的な俳優なので、そうなったのだろうか。
その点が、この韓国映画「VIP」の内容にも影響しているのかもしれない。
イジョンソクの所属事務所は、BIGBANGと同じYGエンターテインメントだ。
【BIGBANG 兵役除隊日決定】全員がそろうのは２０２０年９月 テソンは２０１９年１１月に完全復活 ２０２０年１２月にはドームでライブも
チェジウの所属事務所もYGエンターテインメントだから、やはり事務所の力が大きいのだろう。
【妊娠】チェジウ 出産予定日は ５月２１日 女の子のオンマになる
YGはイジョンソクという宝物を手にしたことになる。
ただ、イジョンソクは、この映画「VIP」で、これまで演じたことのない役柄を演じきったと思う。
あれだけ殴られたら、撮影中ケガは絶えなかったのに違いない。
映画「VIP」は見るべきか？イジョンソクファンの選択
日本でもまた上映されるとは思うが、イジョンソクの熱烈なファンの人にとっては、見るかどうか一度考える方がいいかもしれない。ただ、イジョンソク見たさに
- 韓国映画「VIP」
実体験-映画「VIP」を見た夜 ソウル・ホンデで 悪夢にうなされる
ソウル市内で映画「VIP」を見た後、ホンデ（弘大）で友だちとサンギョプサルを食べた。どんなにショッキングな映画を見ても、食事はきちんととるのが私のえらい所である。（←ただ食い気が勝ってるだけ、というツッコミはなしで。。）
夜遅くホテルに戻る。
この時泊まったのは、Airbnbで予約したホンデのホテルだ。
【2020年版】韓国 ソウルで エアビー airbnb はおすすめしない理由 〈体験談〉【失敗しないポイントは口コミ】
疲れていたのですぐに寝た。
その夜、へんな夢をたくさん見た。
友だちとなぜか銭湯の男風呂に入っている夢とか。
もちろん、映画の内容とは全く関係ない。
銭湯の男風呂のシーンが出てくるのは、イミンホの韓国映画「江南ブルース」だ。
夢の中で、「ＶＩＰ」とごっちゃになっている。
映画「VIP」に対する評価は、見た人が下すべきだ。
ただ、イミンホ（現在、公益で兵役中）の
- 韓国映画「江南ブルース」（キムレウォン）
見るなら、覚悟を決めて見ることをおすすめする。
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