韓国ドラマ「パンチ~余命6ヶ月の奇跡」第6回 キムアジュンは釈放されるがキムレウォンとの「き裂」は深まる 母ソンオクスクもキムアジュンに背を向け すれ違う人間模様


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韓国ドラマ「パンチ~余命6ヶ月の奇跡」第6回

キムアジュンが拘束されている間、クリーニング店を営むソンオクスク(キムレオンの母)は、娘が面会に行く時に、真っ白で清潔なタオルに1枚1枚アイロンをあてて、もたせる。

娘が、「タオルにまでアイロンをあてるの?」と言うと、

 
「検事で忙しい生活をしている時にでも、家の中をいつもきれいにしていた子よ。

離婚する時も、自分が至らなかったというばかりで。」

 
と、キムアジュンをほめ、キムレウォンと離婚した後でも、姑であるソンオクスクとキムアジュンは「いい関係」を保っていることをあらわすシーンがあった。

そのキムアジュンが、キムレオンの奔走によってようやく釈放され、娘を迎えに来る。

姑のソンオクスクは、医師である娘が患者からもらったという、高価な滋養薬の

공진단 拱辰丹
まで、元嫁であるキムアジュンにもたせようとする。

 
韓国ドラマ「上流社会」で、コドゥシムの息子のイサンウが行方不明になり、コドゥシムが悲しみの中にあった時に、コドゥシムの夫の愛人が、

花とともに、この拱辰丹を送ってくる。

それを見てコドゥシムは激怒し、送られたてきた拱辰丹を持ってそのまま愛人の家に乗り込み、愛人につかみかかる、というシーンがあった。

いくらいい漢方薬でも、送り主によっては怒りの原因になることもあるわけだ。

 
ちなみに拱辰丹は、たいへん高価な漢方薬で、「疲労回復・体力増進」などに効果があるとされ、贈り物にもよく使われる。

ところが、犯人と取引をしたキムレウォンと、それを責めるキムアジュンの言い争う声を聞いたソンオクスクは、

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キムアジュンをキムレオンの部屋から引っぱり出し、子どもを連れて家に帰れという。

さっき渡そうとしたコンジンダン(拱辰丹)も娘に戻し、食べ物やイチゴが入った袋も取り返して、

 다시는 올 것 없다
 もう来なくていい
と言い捨てて。

大病をして退院したばかりの息子が、キムアジュンを救い出すために奔走していた姿に胸を痛めていた母としては当然の反応だろう。

だが、情深い母のソンオクスクが、気に入っていた元嫁のキムアジュンに対し、急にてのひらを返したように態度が変わるのを見ると、

やはり「嫁と姑は他人」なのだな、と今さらながらに思う。

韓国ドラマ「パンチ~余命6ヶ月の奇跡」は、このへんの立場の違いによる感情の変化の描き方が本当にうまい。

皆がそれぞれの立場で、愛をそそぎながら生きている。

それが、他の世界とどうつながり、どこに向かうのかが、人生の進む方向を変えることになるのだろう。

キムレウォンは、家族という小さな世界にすべての愛をそそぐが、キムアジュンのまなざしは、子どもや元夫をこえて、もっと大きな世界に向けられている。

韓国ドラマ「パンチ~余命6ヶ月の奇跡」は、ひとりひとりの登場人物の内面をこまやかにえがくことで、善と悪がどうやってわけられていくのかを繊細に表現する見ごたえのあるドラマだ。



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