2016 おすすめ 韓国ドラマ 「キリ 錐 原題 송곳」 チヒョヌ(イスイン)がたたかった時代とキムヘスの「オフィスの女王」の共通点は、「IMF」
韓国ドラマ 「キリ錐 原題 송곳」
を最初見た人はとまどうだろう。
登場する人物は、主人公のチヒョヌをのぞいて、本当に平凡な普通の人たちだ。
チヒョヌは、すらりとして端正な顔だが、その性格ゆえに、周囲から浮いてしまう。
上司のリストラ命令で、職場にはいきなり、殺伐とした空気が流れる。
韓国のその当時の経済状況を知っておくと、理解に役立つ。
韓国では、1997年にIMF危機が訪れる。
韓国は、通貨危機に直面し、国際通貨基金(IMF)の統制下に入った。
このため、多くの企業が自主退職をつのり、そのため、家計を支える多くの中高年たちが路頭に迷うことになる。
日本では、1990年は失われた10年というが、韓国では、1997年は、社会を大きく変える出来事だった。
韓国ドラマ「オフィスの女王 原題 직장의 신」(キムヘス)にも、ドラマの冒頭でIMFという言葉が出てくる。
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経済構造が大きく変わったのだ。
終身雇用は崩れ、契約社員が増える。
外資系の会社が大量に韓国に流入する。
この韓国ドラマ「キリ 錐」の舞台となる、フランス系のスーパー「プルミ」も、そんな時代背景から生まれた。
会社側の方針は、経営危機を改善するために、正規雇用をクビにして、非正規雇用に変えようというものだ。
中間管理職である、主人公のチヒョヌ(イスイン)ら現場の課長に、そのいやな役割が回ってくる。
最初は、抵抗しようとしていた課長たちも、長いものには巻かれろで、結局は会社の方針に従う。
現場の従業員たちを、何でもないことでケチをつけ、侮辱し、追いつめるさまは目をおおうほど。
そんな現状にがまんができず、何とか会社の不当な行為をやめさせようと奔走するチヒョヌ。
だが、普段から現場の社員と交流がないチヒョヌを、皆こころよく思っていない。
上司からは露骨ないやがらせをされ、部下である現場の従業員からも敬遠されて、しだいに孤立していくチヒョヌ。
だが、そんな中でも、たたかうことをやめないチヒョヌの姿はこうごうしくもある。
ドラマの中で、チヒョヌ(イスイン)が、自身をコラニ(シカ)にたとえるシーンがあるのだが、すらりと背が高く、涼しげな顔が美しいチヒョヌはまさにコラニ(고라니)そのものだ。
孤立しても、誤解されても、正しいことを実現しようとするチヒョヌの姿に見ている者が少しずつ共感していく。
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