【八月のクリスマス】ハンソッキュ シムウナ 「韓国人が一番好きな映画」といわれる秘密【心が疲れたあなたにおすすめします】
韓国映画「八月のクリスマス」（ハンソッキュ・シムウナ・シング）1998年に上映され、大ヒットした韓国映画だ。
今でも、韓国映画の中で、韓国人に一番愛されている映画といえる。
映画の舞台「草原写真館」は今も観光スポット
映画の舞台となった写真館は、映画そのままに復元され、今も観光スポットになっている。写真館があるのは、群山（クンサン）【全羅北道群山市】だ。
초원사진관 草原写真館
【住所】- 전라북도 군산시 신창동 군산2길 12-1
- １２−１ Guyeong 2(i)-gil, Sinchang-dong, Gunsan, Jeollabuk-do
上映時期
- 1998年 1月24日 封切り
上映時間
- 1時間37分
監督
- ホジンホ
受賞
- 第19回青龍映画祭最優秀作品【1998年】
- 百想芸術大賞 映画部門作品賞【1998年】
出演
- ハンソッキュ【役名 ユジョンウォン】
- シムウナ【役名 キムダリム】
- シング 【ハンソッキュの父親役】
- チョンミソン【役名 チウォン】
【あらすじ】
「草原写真館」を経営している青年 ジョンウォン（ハンソッキュ）と駐車違反の取り締まりを行う婦人警官タリム（シムウナ）のほのかな恋をせつなくえがく映画。映画は、写真館を訪れる人々の素朴な日常を、やさしいまなざしで映し出す。
ハンソッキュの独白のかたちで語られる感情が、とても詩的で、心を打つ。
こういう人間の内面を表現したセリフのうまさは、韓国映画独特のものだ。
その一部を紹介する。
心にしみるセリフを紹介します
내 기억 속의 무수한 사진들처럼私の記憶の中にある 数えきれない写真のように
사랑도 언젠가 추억으로 그친다는 것을 난 알고 있었습니다
愛もいつの日か 思い出になることを 私は知っていました
하지만 당신만은 추억이 되질 않았습니다
けれども あなただけは 思い出にはなりませんでした
사랑을 간직한 채 떠날 수 있게 해 준 당신께
愛を抱きしめたまま 旅立たせてくれた あなたに
고맙다는 말을 남깁니다
ありがとうの言葉を残したいと思います
バンタンの映画のナレーションに似ている
2018年に公開された、バンタン（防弾少年団 BTS）の映画- 「BURN ON THE STAGE」
【バンタン 初映画】「Burn the Stage」観客196万人 BTSの写真集を動画で見る楽しさ 【素顔がカッコいい】
日本でハンソッキュというと、映画「シュリ」のイメージが強いが、同じころに撮影された「8月のクリスマス」での繊細な演技の方が心に残るという人も多い。
韓国映画「シュリ」から17年、俳優 チェ ミンシク は、「イケメン」を捨て いかにして大スターになったのか？
「8月のクリスマス」は、日本でも上映されて話題になり、リメイクもされた。
韓国人が選ぶもう一度見たい名作1位に選ばれる
韓国で、2013年に、- 観客が選ぶもう一度見たい名作1位
日常に疲れ、人間関係に疲れて、誰とも会いたくない時、そんな時に見ることをおすすめする。
心があたたかくなり、やさしい気持ちになれる映画だ。
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- 映画「八月のクリスマス」
【感想】
ハンソッキュは、３０代の青年。結婚はしていない。
地方で写真館を経営している。
家族は、父（シング）と弟との３人家族。
写真館にはいろんな人が訪れる。
韓国ドラマの中にも、よくリビングに大きな家族写真が飾られているのを見るだろう。
韓国では、こういう写真がとてもポピュラーなのだ。
結婚式でも、日本と違って、いろんな風景をバックにまるで芸能人カップルのような写真を撮ってくれる。
式は日本で挙げて、写真は韓国で撮る、という若い新婚さんが増えている、というのもうなずける。
価格も、日本で写真屋さんで撮ってもらうと、べらぼうに高いが、韓国で撮るとけっこうリーズナブルなのだ。
これは余談として。
韓国映画「８月のクリスマス」には、日常のささやかな風景がこまやかに描かれる。
ハンソッキュは、婦人警官のシムウナのことを好きになる。
シムウナは、快活で美しい女性だ。
シムウナはハンソッキュを「アジョシ」と呼ぶ
シムウナは、ハンソッキュを
- アジョシ 아저씨
- おじさん
アジョシという言葉のニュアンスは、日本語の「おじさん」とは少し違う。
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そして、シムウナの方も、ハンソッキュに惹かれている。
でも、お互いにその感情を素直に表現することができない。
ある時、病院で検査を受けるハンソッキュ。
「不治の病」におかされたハンソッキュ
そして、自分が不治の病におかされていることを知る。
まだ３０代なのに、ハンソッキュに残された時間はわずかだった。
余命宣告を受け、その事実を受けとめることができないハンソッキュ。
老いたアボジ（父）シングを残していく、やりきれない思い。
受けとめられない現実に、親友と飲みながら、
「俺、もうすぐ死ぬんだよ」
と冗談っぼく言ったりする。
部屋の電球の取り換え方を父親に教えるハンソッキュ。
何度教えても、覚えられないシング。
そしてこう言う。
「おまえ（ハンソッキュ）にやってもらうからいいよ」
というアボジ（父親）の言葉に憤（いきどお）りを覚える。
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映画「八月のクリスマス」の中で印象的なシーンが二つある。
とても印象に残ったシーン【2つ】
①自分のお気に入りのチョゴリで写真を撮るハルモニ
家族写真を撮りに来たハルモニ（おばあさん）。家族と写真を撮ったあと、夜、一人でまた写真館にやってくる。
さっきは、地味な韓服（ハンボク）チマチョゴリを着ていたハルモニが、今度は、華やかな色のチョゴリを着ている。
そして、
- 「もう一度写真を撮りなおしてくれ」
ハルモニは、自分の気に入ったチョゴリを着て写真を撮りたかったのだ。
それがもしかすると、「遺影（亡くなった時に飾る写真）」になるかもしれないことを予期しているのか。
ほんとうに素人のような、こんなハルモニの姿に、なんとなくジンとなる。
ドラマ「ディアマイフレンズ」でも似たようなシーンがあった。
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② シムウナを遠くから見つめるハンソッキュ
もう一つのシーンは、余命宣告を受けたハンソッキュが、シムウナの姿を遠くからひっそりと見るシーンだ。カフェの窓際の席にすわり、ガラスの内側から、制服姿のシムウナをじっと見ている。
外は雨だ。
カフェの窓ガラスを雨のしずくがつたう。
ハンソッキュは、そっと指で、ガラスについた曇りをとりながら、こう心の中で言う。
언젠가 이 감정마저도 잊게 될 것이다
いつか、この感情さえも忘れるのだろう
人間にとって避けられない死。
限りのある人生だからこそ、たいせつな時間。
そんなことを考えさせる。
シムウナは、当時、一世を風靡（ふうび）する韓国女優だった。
その美しさと、はかなさが、人間の命が有限であることを考えさせる。
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韓国映画「八月のクリスマス」で、ハンソッキュは俳優としての位置を確固たるものにした。
ハンソッキュの、どこにでもいる普通の韓国人男性のイメージが、逆にこの映画の普遍性をあらわしている。
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ではまた
