韓国映画 「ラブレター～パイランより 原題 파이란」 しがないヤクザ（チェミンシク）と若く美しいパイラン（白蘭） のメルヘン どこかせつないストーリー

韓国映画 「ラブレター～パイランより 原題 파이란」
を見た。



韓国の映画俳優でナンバー３に入る俳優といえば、やはりチェミンシク。

韓国映画 「シュリ」では、シャープな印象だったが、その後は味のある演技派に転身している。

チェミンシクの出世作は、なんと言っても

韓国映画 「オールドボーイ」
これは衝撃的な映画だった。

大ヒットした

韓国映画「悪いやつら 범죄와의 전쟁」（ハジョンウ）

では、情けない下っ端の公務員をみごとに演じた。

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この映画「ラブレター～パイランより」で、主演のチェミンシクは、

• 　第３９回　大鐘（テジョン）祭映画祭 監督賞
• 　第２２回 青龍（チョンリョン）映画賞 男優主演賞
• 　第２回 釜山（プサン）映画評論家協会賞 男優主演賞

を受賞。

映画の芸術性が高く評価された、ということだ。

 
知らなかったが、原作は、

浅田次郎の短編小説「ラブレター」

だという。

この韓国映画「ラブレター～パイランより」に出てくるチェミンシク（役名 イガンジェ）は、しがないヤクザだ。

ヤクザというよりチンピラというべきか。

幼なじみの下でパシリのようなことをしている。

家族もいない。

何をやってもパッとしない。


そんなチェミンシクが、偽装結婚する。

チェミンシクとしては、それも「シノギ（稼ぎ）」になるから引き受けただけ。

相手が誰かすらも、まったく関心はない。


結婚相手となったパイラン（白蘭）は、チェミンシクの故郷にあるクリーニング屋で働くようになる。

いとこの姉を頼りに韓国に来たパイランには、家族もいない。

そんなパイランは、「チェミンシクの妻」となったことで、韓国で安定した法的地位をえて、住むことができるようになる。

パイランは慣れない韓国語を少しずつ覚え、「夫」であるチェミンシクに手紙を書く。






そこにはチェミンシクに対する感謝の気持ちがあふれていた。

パイランは、戸籍上の夫であるチェミンシクの写真を写真立てに入れて、部屋の机の上に飾る。

雑貨屋で、おそろいの歯ブラシを買って来て並べている。

パイランにとって、会ったこともないチェミンシクは、恩人である。


何をやってもさえないチェミンシクは、幼なじみであり、自分を弟分のように扱う人間の身代わになって、自首することを引き受ける。


そんな時、警察がチェミンシクの元を訪れる。

戸籍上妻となっているパイランが亡くなったというのだ。


チェミンシクは、弟分と一緒に、パイランが安置されている病院に向かう。

パイランは、チェミンシクが弟分を通して渡した赤いスカーフを、いつも大事に首に巻いていた。


人生に何の希望も目的もない中年男のチェミンシクが、パイランの手紙を読むにつれ、少しずつ心を動かされていく。



韓国映画「新しき世界 原題 신세계」（イジョンジェ・ファンジョンミン）でのシブい刑事役とはまったく違うチェミンシク。


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韓国映画 「ラブレター～パイランより」は、２００１年の映画だから、この映画に出演した時のチェミンシクは３８才。

でも４０はとうに過ぎているように見える。

パイランは、

　　白蘭

を中国読みしたもの。主人公の女性の名前だ。



若く美しいパイランの人生が、はかない。


投げやりに生きて来たチェミンシクは、パイランの純粋な心に動かされ、自分の生き方を変えて故郷に帰ることを決める。

前半は、１分に３回は「욕 （ののしり言葉） 」（テレビでは放送禁止の）を発し続けるチェミンシクとその仲間たちの姿がえがかれる。


やくざと不法入国した中国人パイランとのはかない人間関係。

チェミンシクの何気ない演技が、メルヘンのように見える。





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